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オネエの話 [<坐禅、仏教、お寺の話>]

この頃オネエと呼ばれる人たちがもてはやされている。

ひと昔前にオカマと呼ばれた人たちと何が違うかと言えば、オネエの方がより女性の心をわかっていて、男性を好きになるのもさりながら、自分自身を美しく飾ることにも熱心に思える。
今時の言葉で言えば、より女性目線というわけか。

女性目線のオネエたちは、女性と同じくらい、いや女性以上に美しいものたちが大好きで、たいていは美容や化粧、ファッション、ヘアー、ネイルなどのスペシャリストとして活躍している。
假屋崎省吾さんのように華道の世界で大変な腕前を見せている人もいる。

そうかと思えば最近は女装家なる人たちもテレビで見ない日はないくらいなのだけれど、彼らもやっぱりゲイなのかな?

カミングアウトという言葉はもともと自分が同性愛者であることを告白することを意味するらしいが、このカミングアウトのタイミングも結構重要らしい。

これを言ってしまっていいのかどうか知らないが、昔日曜日午前中の音楽番組でオーケストラの指揮者をしていて人気だった青島広志先生は、ある時オネエさんに囲まれて「先生はアタシたちと同じ匂いがする。」と言われて、「いや、その話はまた別の時に・・・」とかなんとか口を濁した。

もしもあの時、青島氏がその言葉をしっかりと受けとめて肯定していたならば、きっと今頃先生のテレビの出番はずっと増していたのではないかと思う。

現代の日本社会というのは不思議な社会だ。
隠さないでさらけ出そうとする人間に対しては割かし寛容で、隠そうとする人間にはどこか冷たい。

その後本当にオネエかどうかは知らないが、教育評論家の尾木直樹先生が女言葉を使い、ブローチを嬉しそうに付けるなどで「オギママ」と呼ばれて人気者になっている。

オネエと呼ばれる人々がどんどんテレビに出てきて彼らの存在を世間に知らしめ、認められれば、隠れた何万人のそういう人々が自分を正しく評価して自分の生き方を肯定出来るようになる。それは確かに価値のあることだと思う。


九子の経験から言ってもたとえば鬱病に対する社会の認識は少なくとも15年前とはまったく違い、今なら楽々と誰もがウツとか鬱病という言葉を口に出来るようになった。

後何年かすれば、世の中に埋もれた普通のゲイの人々も自由にカミングアウトして楽に生きられるようになるのかもしれない。

一口にゲイと言っても、オネエのような存在はその中の一握り。普通のゲイの人たちはごくごく普通の男性の格好をしていて外からはそれとはまったくわからないと言うことをこの本で知った。

ボクの彼氏はどこにいる?

ボクの彼氏はどこにいる?

  • 作者: 石川 大我
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本

著者の石川大我くんはそうすることが何より大事だからと本名で素顔をさらしているが、仲のよい明るい家庭で育ったどこにでもいる好青年で、ただただ同性が好きな以外はまったく普通の青年だ。

ただ「男が男を好き」という価値感を受け入れられない社会の中で、ひたすらそれを隠して生きることに疲れてしまったのが彼らだ。
彼いわく、周りの人間に自分の考えている事をひた隠しにするために24時間戦い続けてきたのだと言う。

彼にとって何より幸運だったのは、パソコンのホームページを通じて知りあった彼と同じ思いと悩みを持つ仲間たちの存在だった。自分は一人ではないという思いは、いつでも人間を心強くする。


そんなゲイと呼ばれる人たちの中で一番の変わり種だと思うのが、紳助の番組に出てくる水無昭善師だ。
頭のいい人と見えて、いろいろな悩みに彼独特の鋭い切り口で解決方を与えるのが人気だ。

ある時彼が「修行が辛くないなんて言う人は、本当の修行をしてない人なのよ。」と言うのを聞いた。
ずいぶん自分がやった修行に自信があるんだなあと思い、彼について調べてみた。
ウイキペディアには思いがけないことが書いてあった。
彼は阿闍梨(あじゃり)なのだ。

比叡山一の荒行である千日回峰行。つまり、千日だから丸3年だ。千日間一日も欠かさずに山の峰を回りつづけると思いきや、満願までに7年を要し、最後に断食断水の荒行が待っている壮絶な修行だ。この荒行を耐えぬいた者のみが阿闍梨という位を得る。たぶんこの位を持つ人は日本でも数えるほどだと思う。

九子はたまたま20年も前にテレビでこの千日回峰行を2度もやってのけて。阿闍梨になった酒井雄哉師を追いかけたドキュメンタリーを見たことがあった。生半可な修行ではないと心底驚いた。

この事実を知ってみれば、彼の言葉の重みがわかる。

☆その後比叡山(天台宗)の阿闍梨と高野山(真言宗)の阿闍梨は、ずいぶん格が違う事がわかりました。m(_ _)m

そもそも男性が好きなはずの彼が男ばかりの僧侶の世界で修行するということは、御釈迦様が絶世の美女の誘惑に耐えたというのに匹敵する難行苦行なのではないのだろうか?

テレビ画面の僧侶の格好の彼からは、美しいものが好きなオネエの面影はあまり感じられない。
話し方と、わずかにほの紅い唇がそれをもの語るばかりだ。


これから先は九子のまったくの想像だけれど、水無師は普通のオネエの人々のように見かけの美しいものを追い求めるよりも、仏教の荒行を通して、人間の精神の美しさを求めたかったのではないか。
オネエと言われる人々の中には、確かに普通の人間以上に「美しいものを追い求めたい」という情熱が渦巻いているように思える。


九子が坐禅に出会って、今まで大嫌いだった自分が自然に好きになって楽に生きられるようになるずっと前、一人っ子の九子の関心は「自分がわがままだと他人に思われないように行動する。」というただこの一点にあった。

他人が怖くて仕方がなかったから、他人に悪く思われないように行動すると言うことが九子の何よりの関心事だった。価値判断だったと言ってもいいと思う。

言わば自分の考えなど何にもなくて、他人におもねて行動していたわけだ。

坐禅を知ったら知らないうちに、なんだか自分に自信が湧いた。他人が自分をどう思うかなんて、大したことじゃなくなった。

生まれて初めて自分の行動を自分で考え始めた。
誰かに悪く思われたくないから・・ではなく、自分はこう考えるから、こうしようと。


大本山活禅寺の無形大師はこんなことを言われた。
「仏教の教えは簡単なことだ。悪いことはするな!良いことをせよ!幼稚園の子供でもわかる。」

ところがこれが難題だった。

たとえば前回「子どもたちの放火後を救え!」で書いた慶大卒の織畑君が、お父様の言われる通りそのまま富士通に残ってエリートコースを進むのがいいのか、エリートコースを棒に振って薄給のNPOで子供たちのために働くのがいいのか、それぞれの考え方があるのだから、どちらが善いのか悪いのかではなかなか判断がつかないと思う。


九子はこの頃、良い悪いだけではないもう一つの価値判断を覚えたところだ。
それはSo-netでブログを始めて、芸術を愛し、日本を飛び出してヨーロッパで活躍されている指揮者のMu-ranさんその他の方々の美しいブログを読ませていただいた影響が大きいと思う。

そのもう一つの価値判断とは、善いか悪いかではなくて、美しいか美しくないかと言う事だ。
芸術家たちの価値基準と言うべきだろうか。

さきほどの難題に思える織畑君の就職の件も、どちらがより美しい生き方かと考えたら、答えは簡単に出ると思う。


オネエという人たちは、美しいものたちをこよなく愛する人たちのようだ。そしてその生き方はあくまで女性目線だ。

江戸時代の武士たちには男の美学があって、大変に生き様が美しかったと九子も思う。
だけれども、やれ体面だ、やれ恥だとか言ってすぐに責任を取って切腹する、つまり命を粗末にするような生き方は、現代にはちょっと受け入れられない。

それでこそオネエさんたちの出番じゃないかな?
今まで悩み苦しんで生きてきた少数派のオネエさんたちが、独特の価値観を発揮してこれからも美しいものを求めて正々堂々と生きていってくれる中に、案外日本が幸せになる原動力が隠れているような気がするんだけれど・・。( ^-^)


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コメント 11

浅葱

ご訪問とniceをありがとうございました。
5人もお子さんがいらっしゃるなんて素晴らしいです!
尊敬してしまいます。
これからも宜しくお願いしますね。
by 浅葱 (2011-06-02 23:42) 

yu-papa

「足助城」にご訪問いただき
           有り難うございました^^


ところで、オネエ系の人たちは・・・
本来はお化粧も何もしていないものです。
その代わりに色々な知識と、人の心を安らげる事がとても上手です^^
by yu-papa (2011-06-03 14:21) 

九子

浅葱さん、こんばんわ!
ご訪問嬉しく存じます。m(_ _)m

あっ、五児の母の件ですが、これは上げ底ってやつです。
私が育てたのはせいぜい1人で、残りは出来すぎ母が育ててくれたようなもの。(^^;;

あまりにも母親が出来すぎると何も出来ない娘が育ちまして、その責任を
取るかのように、母親が孫育てまで頑張ってくれる・・ってよくあるパターンです。(^^;;

働きながら育児がんばってらっしゃる浅葱さんのほうがずっとすごいです!

ですから決して尊敬などなさらぬように!
すぐにメッキがはがれますので。(^^;;

こちらこそこれからもよろしくお願いします。
浅葱さんのようなすっきりしたブログは私には絶対に作れません。
きっと性格もさっぱりとされた方なのでしょうね。( ^-^)
by 九子 (2011-06-03 20:15) 

九子

yu-papaさん、こんばんわ。
ご来訪有難うございます。m(_ _)m

あんなに立派なお城があったり、抹茶の有名な町だったり、羨ましいなあ。
長野はただただ善光寺があるだけの地味な町です。
ケンミンショーのデートコースもレストランも見つからなくて、結局長野県は松本市で東京一郎はデートしたんですよ。(^^;;

でもまあ、なんだかんだと言いながら嫌いじゃあないですが・・。だって生まれ育った町ですから。( ^-^)
by 九子 (2011-06-03 20:21) 

earlgrey

九子さま、こんばんは。
こちらでは初めてコメント欄に参加させていただきました。

 おねえ系…。かつては言葉はよく聞くのだし、同性愛も頭では理解
しているつもりでした。でも、心ではどうだっただろう…
 男性が男性を好きになる。女性の目線で。
 いつかNHKの特集で同性愛に悩むドキュメンタリーを見ました
が、皆さん悩んで悩んで苦しんでもがいて、それでも答えがなかなか
見つからずに懸命に生きていらっしゃる姿を拝見して、「愛」の形は
本当に色々あるんだということを知りました。一人一人それぞれの愛
し方があっていいのですよね。(う〜、うまく書けないのですが)
 記事で紹介されている著書、私も是非読んでみたいと思いました。
 意外と意固地なもので、ジャンルは限られていますが、活字中毒な
んです…(苦笑)。
 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
 
by earlgrey (2011-06-03 22:11) 

niki

おねえと呼ばれる人たちには、高い美意識があります。
いまでこそカミングアウトしてもあまりどうということはない時代になりましたが、それでも日本のような車座社会では、他人と違うというだけで色眼鏡で見られてしまいがちですね。

ゲイが「おれ、ゲイなんだ」とカミングアウトした時、女性は「そうなんだぁ」と受け入れやすいようですが、男性はたいていが身構えるようです。
ゲイにも好みはあるので、あなたは大丈夫よ、と苦笑してしまうくらい、まだ偏見が多いようです。

私にもゲイの友達がたくさんいるので、周りの反応にちょっと敏感なのかもしれないです。でも、偏見を持っている人のほとんどは、無知なだけだと思うので、他者に対する理解という努力をする優しさを持ってほしいなと常々思います^^

最近は脳科学の分野も研究が進んで、性同一性障害も認められつつあります。カミングアウトしたいけど、できない…そのジレンマも、社会が変わらないから、どこか理解できるような気がします。


by niki (2011-06-05 14:11) 

九子

earlgreyさん、こんにちわ!( ^-^)
すみません。こちらのコメントのお返事遅くなりました。m(_ _)m

書いときながら、実はリアルな世界ではゲイの事何も知らないのです。
長野にもオカマバーというのはあるらしいのですが・・。

エルトンジョンさんとパートナーの結婚式の記事を見て、はじめて「そうなんだ!」と思った程度の理解ですが、確かに愛の形がたくさんあることを理解していかないといけないんですよね。垣根が無いのが自由の象徴ですよね。

> 意外と意固地なもので、ジャンルは限られていますが、活字中毒な
んです…(苦笑)。

いいですねえ。( ^-^)
私は活字中毒と言えるほどではないのですが、特にブログを書き出してから量は増えました。何しろ書いとかないと内容をすぐに忘れるものですから・・。(^^;;

また良い本をご紹介くださいね。m(_ _)m
by 九子 (2011-06-05 16:49) 

九子

nikiさん、こんにちわ。
nice!をたくさん、有難うございました。m(_ _)m

>それでも日本のような車座社会では、他人と違うというだけで色眼鏡で見られてしまいがちですね

ああ、車座社会と言うのですね。なるほど。異質なもの(人)はなかなか住みにくい社会でしょうね。

>ゲイにも好みはあるので、あなたは大丈夫よ、と苦笑してしまうくらい、まだ偏見が多いようです。

ちょっと想像すると笑ってしまいそうな状況ですが、それだけまだ自由じゃない訳ですね。

>私にもゲイの友達がたくさんいるので

おお!と反応するというのは、私がまだ自由じゃない人間である証拠で
(^^;;、せいぜい肌の色の違う友達を連れてきた時くらいの反応にならなきゃいけないわけですね。

結構都会の方が早いと思う。そういう社会になるの・・。
やっぱり歌舞伎町とか、実際にそういう人たちを見てないと、田舎ではまだまだかもしれませんね。

>最近は脳科学の分野も研究が進んで、性同一性障害も認められつつあります。

脳に原因があると言われるのは(要するに化学物質の問題と)楽になります。うつ病もそうでしたが・・。
心の問題はどうしても自分に問題があると自分を責めがちだから・・。
by 九子 (2011-06-05 17:04) 

九子

yu-papaさん、お返事すっかり遅くなりました。すみません。
m(_ _)m
良いところにお住まいですねえ。羨ましいです。
これからもきれいなお写真たくさん見せてくださいね。( ^-^)

お返事遅れて本当にすみません。m(_ _)m
by 九子 (2011-06-05 17:07) 

yu-papa

「ちょっとだけ京都」へのご訪問、
          有り難うございました^^
by yu-papa (2011-06-08 16:33) 

九子

yu-papaさん、これからもよろしく!( ^-^)
by 九子 (2011-06-09 21:27) 

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